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騎士道精神

日本では、武士道精神という考えがありますが、欧米には騎士道精神という考えがあります。
この2つは似たものとして受け入れられることがありますが、細部ではそれぞれの違いがあります。

新渡戸稲造が描いた「武士道」では、「武士道とは死ぬことと見つけたり」という一文があるように、武士の死生観といったものを日本人の多くは感じ、知っていますが、これが騎士道も同じなのか?と聞かれると疑問もあります。

騎士道には、「騎士の十戒」と呼ばれるものがあります。
・「信仰と教会の教えへの服従」
・「腐敗のない教会擁護」
・「弱者を擁護し手助けする気構え」
・「故国への愛国心」
・「敵前からの退却の否定」
・「異教徒に対する戦い」
・「忠誠心」
・「真実のみを語る」
・「惜しみなく与えること」
・「悪に対抗し、正義を貫く」

騎士の十戒を簡単に表現すると以上のようになると考えます。武士道と違うところは、死生観というのが教会からの教え、宗教に寄っていることです。
日本でも神道、仏教を信仰する武士はいましたが、宗教自体が武士道に大きな影響を与えているかと調査すると、それはまた違っていると思います。

そして、武士道が主君を奉じること、または武士としての生き様を表す一方で、騎士は教会からの教えがあり、次に主君とする者への奉仕があります。

騎士と武士の違うところは、社会的弱者への考え方の違いもあります。
欧米では当然のように「レディーファースト」という考えが社会の中に今もあります。これは、騎士道の中にある「弱者を擁護し手助けする気構え」が今も息づいている証明でもあります。

一方で武士道には、「守るべきモノ」に対する考えというのが、もっと狭いとも取ることが出来ますし、古くからある男尊女卑の考えが多分に含まれている場合もあります。
亭主関白とはよく言ったもので、妻は夫に尽くすもの、そして夫は妻と家を守るという考えが日本人男性のなかには深い部分で影響を与えているのでしょう。これも武士道の一面ではないかと私は思います。

騎士道でも同じように、騎士の十戒という一面だけを見るのではなく、現代でも通用する、または共感することが出来る考え方を取り入れることが出来れば、自分の生活や態度に人柄に影響を与えることが出来るのではないかと考えることも出来ます。

憧れの騎士団

武士道では、1つの集団よりも、個人としての"武"が注目される傾向があると思います。
しかし、騎士道では、個人よりも集団としての"武力"が重きを置いている印象を私は受けます。

その理由としては、「騎士団」の存在です。
騎士団とは、十字軍を例とした、戦闘集団で言い表されることが多いのですが、元々は十字軍という教会の修道士の一集団として、騎士修道会という組織が創られ、その後に、各国の王侯が真似て、自分達の騎士団を創ったとされています。

騎士団とは、1つの集団、組織として同じ教えを持った者が集まり、目標を達成する。
これには、1つの社会性を見ることが出来て、教会の教えという規律の中で多数の人間と生活する姿は、まさしく現代の組織体形の縮小版ともいえるものだと考えます。

ここから、騎士団への憧れを持っている人は、その意味を理解し、集団の中で生活する個としての責任と役割について考えさせられるのではないでしょうか。

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